進化するバーチャルアイドル戦国時代

バーチャルアイドル

世はまさにアイドル戦国時代。

リアルでもバーチャルでも数多くのアイドルが登場し、「推し活」文化を支えています。星の数ほど存在するアイドルの中で、注目を集めるためにアイドルコンテンツは常に独自の進化を遂げてきました。

今回はアイドルの中でも「バーチャルアイドル」の市場と時代の変遷について考察していきます。

 

 

実在しないアイドル

バーチャルアイドルとは、実際には存在しない架空のアイドルの事を指します。

バーチャルだからこそ実現できる、完璧なビジュアル・パフォーマンスで人々を魅了します。またスキャンダルが起きる心配のないことも魅力のひとつです。

近年は SNS の普及や3DCG技術の進化に伴い、リアルでもバーチャルでもアイドルのあり方が多様化しました。リアルとバーチャルの境界が限りなくあいまいになったことで、「実在しないアイドル」とともに、「実際に存在しないとは言いきれないアイドル」も注目を集めています。

 

アニメ・ゲームの中のバーチャルアイドル

(出典:『アイドルランドプリパラ』X.com

 

みなさんは「バーチャルアイドル」と聞いて誰を思い浮かべますか?

初音ミクをはじめとする、音声合成技術を利用したバーチャルシンガー『ボーカロイド』。アニメの中で生き生きとアイドルが描かれる『アイドルマスター』『ラブライブ!』『アイカツ!』。

女性向けソーシャルゲームとして数多くのメディアミックスを展開する『あんさんぶるスターズ!!』『アイドリッシュセブン』など。

バーチャルアイドルは数多く存在しますが、ボーカロイドやアニメ、ゲームの中のアイドルを想像する人が多いのではないでしょうか。

2000年〜2020年代にかけては上記のように、声優が声を当て、画面の向こうのそれぞれの世界観の中でキャラクターが活躍するバーチャルアイドルが主流でした。

多種多様で魅力的な外見に加え、現実に存在しない特殊能力を持っていたり、ストーリーに沿ったキャラクター設定やエピソードはアニメやゲームならではの魅力です。日本のアニメやゲームにおけるバーチャルアイドルのコンテンツは大きな市場を獲得しています。

さらに、2020年代以降は次に紹介するような、より生身の人間に近いバーチャルアイドルの人気が徐々に高まっていきます。

 

リアルで活躍するバーチャルアイドル

(出典:『叶』X.com

 

バーチャルアイドルは架空の存在。コミュニケーションが取れない。そんな概念を覆すバーチャルとリアルの間で活躍するアイドルが登場しています。

VTuber

バーチャルYouTuber、通称VTuber。

モーションキャプチャを使用することで、ジェンダーや外見にとらわれず、自由に設計したキャラクター性とビジュアルで活動することができます。

ゲーム実況や雑談を行う配信に加え、歌やダンス、時には楽器演奏をこなし、配信者としてだけでなくアーティストとしても活動するライバーが増えています。配信で3Dバーチャルライブを行ったり、実在するアイドルのようにアリーナやホールでコンサートを開催する例も増えています。

Kpopにおけるバーチャルアイドル

(出典:『PLAVE』X.com

 

VTuberやkpopアイドルユニット『PLAVE』は、アニメやゲームの中のバーチャルアイドルとは異なり、ライブ配信のコメントやSNS を通じてファンとリアルタイムでコミュニケーションをとることができるということもあり、人気が高まっています。

今まで実在するアイドルを応援していた人でも、変わることのない美しいビジュアルやコミュニケーションの気軽さ、楽曲の多様性に魅力を感じてバーチャルアイドルに興味を持つことも少なくありません。

 

推し活文化とともに成長するバーチャルアイドル

近年バーチャルアイドルは進化を続け、一言にバーチャルアイドルといっても世代によって思い浮かべる対象が大きく異なってくるのではないでしょうか。技術が進化しても、どのバーチャルアイドルもそれぞれの魅力があります。

アイドルを応援する人々の人口が増えて市場が拡大したことで、アイドルに求められるクオリティはますます高くなっています。

今後もリアルのアイドルとバーチャルのアイドルは互いに影響しあい、良い部分を吸収し合うことで新たなファンを獲得していくこと間違いなしです。

バーチャルアイドルがどこまで進化し、成長していくのか楽しみですね。