アメリカ食文化のルーツはアフリカ!?

アメリカ食文化のルーツ

突然ですが、質問です。

『アメリカ』という名前の由来を知っていますか?

正解はイタリア人の名前が由来。

航海記『新世界へ』の著者であるイタリア人、アメリゴ・ベスプッチの名からとったと言われています。
そんな国の名前すらも異国をルーツに持つアメリカ。多様な人種の移民によって建国した国ならでは…。
実はアメリカの食文化も異国をルーツにしているものが多い。

 

その国はなんとアフリカ!!!!

 

ジャズなどの音楽だけではなく、奴隷制度はアメリカのミュージックシーンだけでなく、
なんと食文化にまでも大きな影響を与えてたのです!

 

『アフリカからアメリカへ:米国料理のルーツを辿る』

ネットフリックス自ら、異色のグルメ・ドキュメンタリーと書いている作品。さすが攻めてるネトフリ!

(以下、ネタバレあり)

 

アメリカにおける負の歴史である「奴隷制度」の始まりを丁寧に描きつつも、その中でも強く逞しく生きたアフリカ人たちが持ち込んだ料理が、今のアメリカの食との繋がっていることを証明していくドキュメンタリー。

まず、知って驚いたのは、「オクラ」の存在。アメリカでもよく使われる食材のひとつ。
日本人からすると「あ〜、日本の食材がここでも親しまれてるなんて嬉しい限り…」と思ったのですが、

 

実はオクラはアフリカ原産!!アフリカでも「オクラ」と呼ぶそう。

 

つまり私たちは日々、アフリカの言語を喋ることができるんですね。 冗談はさておき、オクラだけではなく、お米、トマト…あらゆるものがアフリカからもたられされていたのです。これはこれは興味深いですよね!

さらに作品から離れて、いろいろとルーツを探っていくと
面白いことを知ることができました!

 

アメリカのソウルフードはアフリカのソウルフード?

また、ジャズの発祥でも有名なニューオリンズのソウルフードといえば「ガンボ(GOMBO)」。
こちらもフランス語で「オクラ」の意味ですが、魚介や鶏肉等をベースとしたスープで、オクラやお好みの香味野菜等とお米を煮込んで作る料理です。

この料理のほとんどの食材の由来はアフリカ。しかもアフリカでも同じ料理が存在するんです。

そして、アメリカといえばフライドチキン。

 

そもそも…

アメリカに鶏なんていなかった⁉︎

 

東南アジア原産の鶏ですが、入植者によって持ち込まれたものでした。
しかし当時のアメリカ人たちの間で家畜として育てられることはなく、代わりに飼育をしていたのは奴隷たちでした。
そんな奴隷たちは、過酷な労働にも関わらず主人から栄養のある食事をもらえなかったことから、自ら栄養を摂るためにフライドチキンを食べ出したのがルーツだそう。

それが今やアメリカでは一二を争うソウルフードになっているのは不思議ですね。

 

アメリカの米栽培は奴隷なしでは成立しなかった!?

アメリカは小麦やとうもろこしのほかにもお米を栽培しています。しかし、そのお米は奴隷なしでは栽培できなかったようです。それは労働力が減るから…ではなく、技術面からでした。

当時のアメリカ人たちに米栽培の技術はなく、かわりに古来より米を栽培していた過去のある奴隷たちが米栽培をアメリカで広げていきました。

その証拠に南北戦争が終結。北が勝利し奴隷解放運動が起こるや否や、南部の米栽培は縮小していったといいます。
実は、そもそもアメリカというのはこういった奴隷や元々いた現地民に支えられた食文化が多いようです。カボチャ類、豆、トウモロコシなど原産の作物の栽培を教えたのはインディアンだったといいますし、アメリカという国がここまで発展した影には、多くの奴隷や原住民の方々の支え合ってのことだったんですね。

 

アメリカの奴隷制度は、とても辛い過去です。
しかし彼らがアメリカという地で、苦しくも強く逞しく生きていた、その息吹が今もこうして我々の食文化につながっています。面白い作品ですので、ぜひ見てみてくださいね!!

 

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