筆者はドキュメンタリー映画やノンフィクション書籍が大好きです。
なぜなら、絶対に知ること、気づくことがなかった私たちの住む社会の「問題」を教えてくれるからです。
みなさんにも、是非そのようなジャンルを読んでいただきたいなと思いつつも、文字だけだったり淡々と進む映像などは少しハードルが高いのではないかな…と思います。
(実際、私もハマるまではなかなか時間がかかりました汗)
そこで今回は、マンガという形で私たちの社会の中にある問題を分かりやすく伝えてくれている社会派マンガを紹介させてください。
©️夏 緑/ちくやま きよし/小学館
動物の殺処分や多頭飼い後の飼育放棄など、多くの問題がこのペット業界にあることは知っていましたが、それを解決するための新しい策がさらに動物を追い詰めてしまう…そんな根深い問題があることを知りました。
不幸にしたいために、動物を飼おうと思っている人は誰ひとりとしていないはずです。でも、たった今可愛いと思った子を一生面倒見る覚悟があるのか…。ペットを飼っている方はもちろんのこと、日本社会全体の問題としてみなさんに一度は読んでいただきたい作品です。
また、本作には制作協力として俳優の杉本彩さんが関わっています。巻末には動物問題に対する彼女の並々ならぬ思いが綴られているので、そちらも是非読んでいただきたいです!
©️宮口 幸治/鈴木 マサカズ/新潮社
みなさんはご存知だろうか? 問題を起こして更生施設に入っている非行少年の十数パーセントが実は「ケーキを等分に切る」ことができないことを。
実はこれは教育を受けていないからではなく、彼らが頑張って努力してもできないのだ。彼らは「境界知能」と呼ばれ、障がいを持っているとまでは認められないが、社会において基準とされるIQのギリギリライン、ないし少し下の値のIQを持つ。
一体、それの何が問題なのか? 障がいを持っていない、ということだろう? と思うかもしれないが、想像してみてほしい。彼らは「社会が当たり前にできるはずだ」と考えていることを、一生懸命努力して頑張り続けてもなかなかできるようにならない。そのせいで周りから「できない」「サボっている」と言われてしまう。本作はそんな彼らに焦点をあて、彼らがどうして犯罪を犯し「非行少年」というレッテルを貼られてしまっているのかを、数人の少年たちを登場させたオムニバス形式で教えてくれる。
世界的な動きとして多様性を認め合う社会が当たり前になっています。しかし、その中で声を上げられずに苦しんでいる子供たちがいることを忘れないためにも、読んでいただきたい作品です。
いかがでしたでしょうか? ちょっと真面目なレビューになってしまいましたが、この記事を読んで、少しでもみなさんが社会問題に興味を持っていただけれたら幸いです!