子どもの頃に観ていたアニメ『忍たま乱太郎』(以下「忍たま」)。実は今、再びその世界にハマる大人が急増中なのです!
放送開始から30年以上、子ども向け作品として根強い人気を誇る一方、近年は“大人ファン”の熱量が高まっているのをご存知でしょうか?
その火付け役のひとつが、2.5次元舞台として話題のミュージカル『忍たま乱太郎』(以下「忍ミュ」)。
今回はアニメと舞台、両方の視点から「忍たま」の魅力を徹底解剖します!
©️尼子騒兵衛/NHK・NEP(Amazon公式サイトから転載)
舞台は戦国時代の忍者学校「忍術学園』。登場する生徒や先生たちはなんと76名以上!
それぞれのキャラクターが個性豊かに描かれているので、きっとあなたの「推し」が見つかるはず……。
主要キャラクターにはしっかりとしたプロフィールや生い立ちが明かされ、キャラクター同士の関係性まで深掘りされています。SNSでは「〇年〇組推し」や「〇〇委員会推し」など「箱推し」文化も盛んです。
「忍ミュ」では、さらにキャラクターの魅力が倍増!
第15弾で活躍する4年生たちは、まるで団結力がないように見えるほど、どれも個性豊かなキャラクター揃いです。そんな様子さえ魅力になるくらい、キャラクターが「生きている」と感じられるのです。
「忍たま」といえばギャグ。テンポの良い掛け合いやメタネタ満載のゆるい日常に、癒される人も多いはず!
子どもでも理解できるシンプルな笑いの中に、どこか温かさがある日常が人気の理由のひとつです。
「忍ミュ」では、そこに熱いドラマがプラスされます。仲間との絆、戦いへの覚悟、成長する姿。胸を打つ展開がたっぷり。ギャグで笑っていたはずが、気づけば涙が……。そんな「笑って泣ける舞台」として、高評価を得ています。
とはいえ「子ども向け、ギャグアニメでしょ」と思ったそこのあなた! 侮るなかれ。
「忍たま」は時代考証がしっかりしていて、舞台となる戦国時代に基づいた表現が数多く登場しています。服装や道具などの暮らしも、その時代に合わせて描かれており、自然と歴史や文化が学べます。
例えば、物語に登場する建物の屋根は、瓦ではなく石で作られています。この頃は焼き物の技術が十分に発達しておらず、瓦の量産は難しい時代だったためです。他にも、生徒たちの制服は、その時代の染色技術で作られた制服です。
これらに加えて、目上の人への礼儀や、人間関係の築き方も丁寧に描かれており、学びの多い作品でもあります。
「忍ミュ」でも、その時代の世界観は徹底されており、衣装や舞台美術は原作を忠実に再現されています。歴史好きにも刺さる丁寧なつくりや時代考証が魅力のひとつです。
©️尼子騒兵衛/NHK・NEP ©️ミュージカル「忍たま乱太郎」制作委員会
(ミュージカル「忍たま乱太郎」公式サイトから転載)
30年以上続いている作品だからこそ、キャラクターや世界観の深みが圧倒的!
昔から知っているキャラクターの秘密が、最近になって明かされる事も。何気ない1話1話の積み重ねが、今見返すと新たな発見の連続です。
「忍ミュ」では、アニメでは描かれなかったキャラの心情や背景、関係性が丁寧に掘り下げられています。子どもの頃には見逃していたテーマやセリフが、大人になった今だからこそ響く……。そんな体験ができるのも、この作品ならでは。
昔からのファンも、最近ハマったファンも一緒に楽しめる「沼の深さ」がここにはあります。
知っていると、ちょっぴり自慢できる、そして、物語をより楽しめる「忍たま」の豆知識を紹介します。こうした知識の“沼”にハマっていくのも、ファンの楽しみのひとつです!
主要キャラのひとり「摂津のきり丸」。小銭が大好きな「ドケチ」で有名ですよね。なんでドケチなのか、考えたことはありますか?
きり丸は戦で村を焼かれ、家も家族も失った戦争孤児だったのです。ひとりで厳しい世界を生き抜くために、必死に小銭をかき集め、アルバイトをたくさん掛け持ちして、忍術学園へ入学したのです。
忍術学園が長期の休みに入ると、生徒たちは故郷へ帰ります。その際、土井先生ときり丸が同じ家に帰っているのを不思議に思った人も多いのではないでしょうか?
土井先生もきり丸と同様、幼少期に家を襲撃され、天涯孤独になっています。土井先生は「担任だから」という理由ではなく、幼少期の自分と重なるきり丸が放っておけなかったのでしょう。土井先生ときり丸には、親子のような深い絆があるのです。
『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』特報カット
©️尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎制作委員会
(劇場版「忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」Xアカウントから転載)
「忍たま」では、兵庫県尼崎市の地名に由来するキャラが多数登場します!
例えば「忍ミュ」第15弾でスポットが当たる6年生。立花仙蔵、潮江文次郎、七松小平太、中在家長次、善法寺伊作、食満留三郎。全員の苗字が尼崎市の地名に由来しています。
尼崎市は原作者・尼子騒兵衛さんの出身地でもあるため、作者の地元愛も感じられます。ぜひ、推しの苗字と同じ土地に足を運んでみてはいかがでしょうか?
子ども向けと思いきや、実は奥深くて大人こそハマる『忍たま乱太郎』。笑って癒され、学びもあり、キャラに感情移入して涙する……そんな体験ができる作品です。
「昔見てたな……」と感じたあなたにこそ!
今の『忍たま』を見てほしいし、知ってほしい。アニメで気軽に再入門し「忍ミュ」で深く沼落ち。
あなたにピッタリの推しを探してみてはいかがでしょうか?