
「どうして新人ってこんなに価値観が違うの?」
「なんで伝わらないんだろう……」
新入社員と接する中で、そんな戸惑いやモヤモヤを感じる瞬間はありませんか?
世代や経験の違いから生まれるギャップに、知らず知らずのうちに心が疲れてしまうこともありますよね。
今回は、そんなジェネレーションギャップ疲れに効く漫画原作アニメを2つご紹介します。まだ読んでいない方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
新人と話していると「え、これって普通じゃないの?」と驚いたり、思ったような反応が返ってこなかったりすることもありますよね。コミュニケーションのズレは誰かが悪いわけではなく、前提となる価値観が違っているだけです。
今のZ世代は、スマホやSNSが身近にある環境で育ったデジタルネイティブ世代であり、漫画などのエンタメ作品にも精通しているのが特徴です。今人気の漫画作品を読むことは、Z世代である彼らを理解する助けにもなるのです。
戸惑いやすれ違いというギャップに悩んだときにこそ、物語の力はやさしく効いてきます。今回は、新人とのギャップに悩めるあなたに贈る漫画作品を2つご紹介します。
Copyright(c)2018 みかわ絵子/集英社・KADOKAWA・MAPPA Corporation.
(出典:『忘却バッテリー』作品公式Webサイト)
『忘却バッテリー』は、野球のルールを知らなくても楽しめる野球漫画です。
キャラクターの人間描写に深みがあるので、Z世代だけでなく幅広い層から支持を集めています。
物語の主役は、中学時代に「怪物バッテリー」と呼ばれた剛腕投手・清峰葉流火(きよみねはるか)と、冷静な智将捕手・要圭(かなめけい)。メディアを騒がす有名人だった二人は、なぜか野球無名校の都立小手指高校へ進学しました。
しかし、捕手の圭は野球に関する記憶をすべて失ってしまっていたのです。都立小手指高校には、かつて圭と葉流火に敗れて野球の道を諦めたライバルたちも集結しており、数奇な再会を経て、それぞれの想いが交錯していきます。
青春のもどかしさやもう一度挑戦することの尊さを、野球を通して描く一作です。
『忘却バッテリー』が支持される最大の理由は、ギャグとシリアスのバランスです。ギャグ漫画的な展開に油断していると本格野球シーンとなり、気づいた時には感動して泣いていることもあるので目が離せません。Z世代が抱える心のモヤモヤやプレッシャーといったリアルな感情を丁寧に取り扱っているのも大きな魅力といえます。
SNS全盛の今、試合でミスすればその瞬間がネットに晒され、知らない誰かから心無い言葉を投げつけられる……Z世代ならではの「見られる恐怖」や、「失敗を許されない空気」も描かれているのです。
2025年10月に田中涼星さんや荒牧慶彦さんなど、人気若手俳優を起用した舞台化も予定されているので、これからさらに注目度が高まること間違いなしの作品です。
Copyright(c)2020 つるまいかだ・講談社/メダリスト製作委員会Corporation.
(出典:『メダリスト』作品公式Webサイト)
『メダリスト』は、フィギュアスケートの世界で出会った青年と少女が、互いに刺激を与え合いながら前に進んでいく姿を描いた成長物語です。
明浦路司(あけうらじつかさ)は、かつてフィギュアスケーターとして夢半ばで挫折しました。そんな司の前に現れたのが、スケートに強い憧れを抱く小学五年生の結束いのり(ゆいつかいのり)でした。司はコーチとしていのりを指導することに決め、二人はオリンピックのメダリストという栄光を目指すようになります。
『メダリスト』の大きな魅力のひとつは、なんといってもキャラクターたちの表情の豊かさといえます。特に氷上でのシーンでは、リンクに立つ緊張感や、観客の目を意識するプレッシャーまでもが画面越しに伝わってくるほどです。
もうひとつ注目したいのが、教える側の葛藤と成長を丁寧に描いている点です。司はいのりの指導に心血をそそぎ、試行錯誤を繰り返します。指導の難しさとうまくいった時の喜びは、新人教育に悩む人にとっても共感するポイントが多いはずですよ。
米津玄師さんと羽生結弦さんのコラボレーションで制作されたメダリスト主題歌のMVも美しく迫力がありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
今回ご紹介した『忘却バッテリー』と『メダリスト』は、どちらも人との関わりや心の成長過程を描いた作品です。重いテーマを扱いながらも、笑いや爽快感と一緒に前向きな気持ちを届けてくれるのが大きな魅力といえます。
疲れた時には、少し立ち止まって漫画の世界に触れてみましょう。
次の一歩を踏み出すためのヒントが、きっと見つかるはずですよ。