

© Universal Studios. All Rights Reserved.(出典:https://wicked-movie.jp/)
「誰も生まれながらに邪悪ではない。」
「誰も生まれながらに邪悪ではない。」
この一言で始まるミュージカル『ウィキッド』は、2003年のブロードウェイ初演以来、世界中で6,000万人以上の観客の心を掴み続けてきました。日本でも、劇団四季による公演が圧倒的な人気を誇っています。
そして2024年、ついに実写映画化された2部作『ウィキッド ふたりの魔女』の第1作目が北米で公開され、実写映画史上No.1の大ヒットスタートを記録。世界中の注目を集めました。
では、なぜ『ウィキッド』は20年以上にわたり、世代や国境を越えて愛され続けているのでしょうか?
その理由は、“悪役”の視点から描かれる斬新なストーリーと、誰もが共感できる“正義と葛藤”のリアルさにあります。
『ウィキッド』は、誰もが知る童話『オズの魔法使い』の“裏側”を描いた物語。悪役として知られる「西の悪い魔女」エルファバを主役に据え、彼女がなぜ“悪”とされたのか、その真実が語られます。
緑色の肌を持って生まれたエルファバは、幼い頃から外見に対する偏見や差別にさらされてきました。けれど実は、誰よりも純粋で、強い正義感とやさしさを持つ少女なのです。
そんな彼女が、明るく社交的なグリンダ(後の“北の良い魔女”)と出会い、反発しながらも友情を育み、共に成長していく姿は、現代を生きる女性たちの人生にも重なります。価値観の違いに悩みながらも、信頼し合い、支え合う—この“リアルな女性同士の絆”が、多くの共感を呼んでいるのです。
さらに、エルファバの「本当に正しいことをしたい」という想いと、それが報われない現実とのギャップは、理想と現実の狭間で葛藤する私たち自身をも映し出しています。
『ウィキッド』の感動を支えているのが、心揺さぶる数々の楽曲です。中でも「Defying Gravity(重力に逆らって)」は、エルファバが“自分の信じる道”を選ぶ決意を歌い上げる、劇中屈指の名シーンと言えるでしょう。
観る者すべてに、自分の殻を破る勇気を与えてくれます。
物語の終盤で静かに流れる「For Good(あなたのおかげで)」は、エルファバとグリンダの友情を象徴する一曲。
「あなたに出会えたことで、私は変われた」
この歌詞が示すように、誰かとの出会いが人生を変えることもある—そんな希望を、そっと届けてくれます。
感情の揺れを表現する楽曲のメロディーやハーモニーの繊細さも、舞台の臨場感を高める重要な要素です。歌詞だけでなく、音楽全体がキャラクターの心情を深く掘り下げているためか、思わず涙する観客も少なくありません。
L to R: Cynthia Erivo is Elphaba and Ariana Grande is Glinda in WICKED, directed by Jon M. Chu
© Universal Studios. All Rights Reserved.(出典:https://wicked-movie.jp/)
『ウィキッド』が世代を超えて刺さる理由のひとつは、作品が作品が内包している社会的なメッセージ性にあります。
エルファバは「緑の肌」という外見を理由に、偏見や差別の対象となります。また、報道や権力によって“悪”とされていく姿は、現代のSNS時代における情報操作やヘイトスピーチともリンクします。
「見た目や噂だけで人を判断していないか?」そんな問いかけを感じるストーリーは、観る者の価値観を揺さぶり、自分自身と向き合うきっかけをくれます。
さらに、女性が自分の意思で道を選び、他人に流されず進んでいく姿は、キャリアや自立を考える現代女性にとっても、大きな勇気を与えてくれるはずです。
“自分らしさ”と“他者との違い”をどう捉えるか—。『ウィキッド』は、観る者に深く問いかけながら、誰もが持つ“本当の自分”に光を当ててくれる作品です。
今(2025年5月現在)、世界中の注目を集めているのが、北米で2024年11月に公開された映画版『ウィキッド』です。
主演はシンシア・エリヴォ(エルファバ)とアリアナ・グランデ(グリンダ)という、実力派と人気を兼ね備えた豪華キャストです。
舞台では描ききれなかった魔法の世界が、映像と最新技術によって生まれ変わり、これまでにない臨場感で観客を魅了しています。
キャラクターの過去に迫るエピソードや、映画だけのオリジナルシーンも多数追加されており、物語を知るファンには新鮮な驚きを、新たなファン層には感動を届け、世界的な大ヒットを記録しています。
音楽監督や衣装、美術にも一流クリエイターが集結し、細部までこだわり抜かれた“映画ならではのウィキッド体験”は必見です。
さらに、2025年11月に映画『ウィキッド』第2部が全米で公開予定となっており、さらなる注目を集めています。ファンはもちろん、新たな視点で描かれる物語がどのように展開していくのか、期待が高まっています。
『ウィキッド』は、善と悪、表と裏、そして偏見と真実という対立軸を描きながら、視聴者である現代の私たちに大切な気づきを与えてくれる物語です。
それは
の3つのメッセージです。
エルファバとグリンダのように、違いを越えて理解し合える関係が、人生を豊かにしてくれる—。
そんな希望のメッセージが、『ウィキッド』には込められています。
映画、舞台、原作—どの形で触れても心を揺さぶられる『『ウィキッド』。映画でこそ出会える“魔法”があります。
壮大なスケールで描かれるオズの国、息をのむ映像美、そして繊細な表情で紡がれる演技。この感動は、劇場でしか味わえません。
その魔法に、ぜひあなた自身の目と心で触れてみてください。