『ハリー・ポッター』ファン必見!映画に登場しない重要な伏線とシーンとは?

『ハリー・ポッター』ファン必見!映画に登場しない重要な伏線とシーンとは?

 

魔法使いを描いた作品として、世界に知られる『ハリー・ポッター』。映画では描かれていないけれど、小説には描かれている、重要なシーンをご存じですか?

 ©︎2001 Warner Bros.

 

『ハリー・ポッター』では、物語に隠された伏線や人物の細かな描写を解き明かすことで、ストーリーをもっと楽しむことができます。

映画にはないけれど、小説にはある、重要なシーンを2つご紹介します。この記事を読めば、『ハリー・ポッター』の世界をさらに濃く味わうことができるでしょう。

【映画未収録シーン①】実は「ハリー」ではなく「ネビル」が主人公!? 〜シビル先生が残した予言とは!?〜

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(出典:https://warnerbros.co.jp/c/features/post-35.html

 

主人公が「ネビル」だと聞いて「ハリーじゃないの?」と驚いた方も多いと思います。『ハリー・ポッター』に登場するネビル・ロングボトムは、ハリーに代わるほど重要な人物なのです。
もしかしたら、『ネビル・ロングボトムと賢者の石』なんてタイトルになっていた可能性もあるほどです。

『ハリー・ポッター』で主人公を決定したのは「ヴォルデモート卿」です。作中で語られる予言を聞いたヴォルデモートが、自分の敵と見なしたのが、ハリーだったのです。

予言を残した人物「シビル・トレローニー先生」

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(出典:https://warnerbros.co.jp/franchise/wizardingworld/special/characters/sybill-trelawney.html

 

作中で語られる重要な予言を残したのは、占い学教授・シビル・トレローニー先生です。映画ではあまり重要人物として扱われていないのですが、主人公を決定するほどのキーマンだと言えます。

シビル先生が残した「3つの予言」とは?

予言には「闇の帝王(=ヴォルデモート)」を倒す人物の3つの条件が示されています。原作小説においては『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』で明かされます。

  1. 「闇の帝王」に3度抗った親から生まれる
  2.  7月末に生まれる
  3. 「闇の帝王」がその人物に「印」をつける
    (第5巻『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 第37章 失われた予言)

ハリーもネビルも1・2の条件に当てはまります。ですが、2人の違いを生んだのは、3の条件です。

ハリーが主人公に選ばれた理由とは?

映画では語られない、ハリーの額にある稲妻の傷。この傷がヴォルデモートを倒す人物の象徴です。その傷をつけた人物が、まさしくヴォルデモートだったわけです。

この予言は、映画でも明かされるように「片方は生きられない」と明かされます。ヴォルデモートは予言を信じているからこそ、ハリーに固執しているのですね。結果的に「予言の通りに」話は終わりますが、予言に信憑性があるかどうかは不明であるようです。

【映画未収録シーン②】なぜスネイプは「半純血のプリンス」と名乗った?

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(出典:https://warnerbros.co.jp/c/features/post-42.html

 

「半純血のプリンス」とはじめて聞いたとき、意味を理解できない方がたくさんいます。これは原作小説『ハリー・ポッターと謎のプリンス』で登場する内容です。

ハリーが手に取った教科書の中に書かれていた「セクタム・センプラ」という呪文。この教科書の持ち主の名は、「半純血のプリンス」。映画では、その呪文をセブルス・スネイプが作り「半純血のプリンス」=スネイプという事実が明らかになります。

しかし、この「半純血のプリンス」という言葉には、深い意味が込められていました。

「血」の重要性

まずは「血」の重要性について紹介しなければいけません。『ハリー・ポッター』の世界では、「純血」の魔法使いであることがなによりも重要視されています。

中でも、ホグワーツの創設者のひとり・サラザール・スリザリンについて触れます。ホグワーツには4人の創設者がいますが、中でもスリザリンは、「純血の魔法使い」のみ、ホグワーツ入学を許可しようとしました。その思想は、他の創設者と対立を生み、ホグワーツを去ることになります。純血であることは、「強さ」の象徴です。

「名前」へのこだわり

混血(半純血)の登場人物の中に、実は意外な人物がいます。ヴォルデモートです。
ヴォルデモートは、母がスリザリンの末裔で「純血」・父が魔法を使えない「マグル」。スリザリンの末裔であることや、ヴォルデモートが強さにこだわることなどを踏まえて考えてみると「純血ではない」ことは、彼にとって非常にコンプレックスであると思われます。

ヴォルデモートの本来の名前は、「トム・リドル」。そして、父の名前も同じで「トム・リドル」といいます。『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、「トム・リドル(ジュニア)」が「ヴォルデモート」と名乗り始めることが明かされます。

ヴォルデモートはマグルの父と同じ名前を嫌がり、自分の名前を変えるほど「純血」へのこだわりがあります。マグルの父と同じ名前のままでは「最強」を名乗るには不十分だったのです。

半純血の「プリンス」とは?

ここからは「半純血のプリンス」について解説します。

スネイプは、母が「純血」・父が「マグル」です。母が「純血」であることを主張した「半純血」を自称しています。母の名は「アイリーン・プリンス」。『ハリー・ポッター』の世界は、名前へのこだわりが強いことは述べました。お気づきの方もいると思いますが、「プリンス」の息子であることを強調しようとして「プリンス」と名乗りました。

この二つの特徴から、スネイプは「純血」ということをアピールした「半純血のプリンス」と名乗ったのです。

まとめ

©︎J.K.ローリング 作 松岡佑子 訳/静山社

この記事では「小説」にはあるけれど「映画」にはない重要なシーンを2つ紹介しました。これらは、ストーリーを理解することに大きな影響を及ぼすことはありませんが、人物を知るためには、非常に重要なシーンです。
これらのほかにも「クィディッチ」をはじめとする再現されていないシーン、登場人物の細かな描写はたくさんあります。

これをきっかけにもっと『ハリー・ポッター』の世界を知りたいと思った方は、ぜひ、小説をお手にとってみてください。

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