

『ゴジラ』は日本で有名な怪獣ですが「1つも作品を観たことがない!」という方は意外と多いはず。
そこで今回は、ゴジラ作品の歴史とその魅力について解説していきます。この記事は、『ゴジラ』の映画を観たことがない方でも楽しめる内容になっています。ぜひ、参考にしてみてください。
まずは、ゴジラ映画の歴史について解説していきます。
初代『ゴジラ』が公開されたのは、1954年のことです。東宝によって製作された『ゴジラ』は、日本で初めての怪獣映画でした。監督を本多猪四郎(ほんだいしろう)、特殊技術を円谷英二(つぶらやえいじ)が務めました。
精巧なジオラマを使った迫力ある特撮シーンは、当時話題になりました。『ゴジラ』は、水爆実験によって住処(すみか)を追われた「ゴジラ」という名の怪獣が、東京に上陸し、破壊の限りを尽くすというストーリーでした。
反核や文明批判をテーマとした、怪獣映画を超えた人間ドラマが描かれた作品として評価され、961万人の観客動員数を記録するヒット作になりました。
初代『ゴジラ』が公開された翌年の1955年に、シリーズ第2作目である『ゴジラの逆襲』が公開されました。この映画では、アンキロサウルスをモデルにした怪獣・アンギラスが登場し、ゴジラと戦うシーンが作品の見どころでした。
『ゴジラの逆襲』をはじめとして、怪獣同士の対決を描いた作品がシリーズとして続きました。1962年公開の『キングコング対ゴジラ』はシリーズの中で観客動員数は最高1,120万人を記録した、超人気作となりました。
この作品以降も、モスラやラドン、メカゴジラといった怪獣が登場する作品として、ゴジラシリーズは長年にわたり愛されてきました。『ゴジラ』シリーズの映画は、2025年4月現在で合計30作が公開され、日本映画を代表するシリーズ作品となりました。
次に、ゴジラ作品の魅力について解説していきます。ゴジラ作品には、以下2つの魅力があるとされています。
ゴジラ作品の1つ目の魅力は「ゴジラ憲章」の存在です。「ゴジラ憲章」とはゴジラ作品を制作している東宝で定められた、作品制作における取り決めを指します。
ゴジラ憲章には「ゴジラは圧倒的な生命力であなたの魂を揺さぶります」という約束があり、「物語性、威厳、強さ、挑戦、ワクワクドキドキ」のといった5つの原則が設けられています。
ゴジラ作品は「ゴジラ憲章」の原則をもとに、1つ1つの作品にそれぞれの時代性を反映してきたとされています。例えば『キングコング対ゴジラ』は「日本とアメリカを代表する怪獣のどちらが強いのだろうか?」という映画ファンの興味をきっかけに生まれた作品でした。他にも『モスラ対ゴジラ』では、行き過ぎた観光開発に対する警鐘を描いた作品です。これらの例のように、ゴジラ作品は時代ごとのニーズや社会問題を映画に盛り込んでいました。
ゴジラ作品は「ゴジラ憲章」を基本軸として、映画が製作された時代によってテーマや作風を変化させながら、時代を超えて愛される作品となっていったと考えられます。
ゴジラ作品の2つ目の魅力は、怪獣映画の域を超えた作品であることです。
例えば、初代『ゴジラ』は反核のメッセージが込められていました。映画公開は終戦から9年後ということもあり、ゴジラが東京の街を破壊するシーンは、まるで空襲のように描かれていました。
病人にケガ人が集まり、手当に駆り出される住民の姿は、戦争の傷跡が残っていた当時ならではの描写ともいえます。映画のキャッチコピーは「ゴジラか科学兵器か驚異と戦慄の一大攻防戦!」とあり、ゴジラという怪獣を通して、反戦のメッセージを打ち出していたようにも思えます。
2016年に公開された『シン・ゴジラ』では、東日本大震災を思い起こさせるようなシーンが描かれています。陸まで飛ばされる船や放射線量に怯える市民、作業服姿で記者会見をする大臣の姿は、東日本大震災直後の社会と似ているように見えます。
辛い痛みや困難な状況と向き合い、乗り越えようとする人々の姿を作中に描き出し、単純な怪獣映画という領域を超えた魅力があるのです。
最後に、ゴジラ映画を観たことがない方でも楽しめる「初心者向け」の作品を2つ紹介します。
「ゴジラ作品を初めて観る」という方におすすめなのが、2023年に公開された『ゴジラ-1.0』です。終戦後の日本が舞台となっている本作品では、リアルで迫力あるゴジラの姿を楽しめることでしょう。
ゴジラ作品の初心者には理解しやすい物語で、映画の世界観を十分に味わえます。人間ドラマや環境問題などのテーマも描かれています。
『ゴジラ-1.0』は、シリーズの魅力を発見できる作品の1つとも言えるでしょう。
本作はU-NEXTやAmazonプライム・ビデオで視聴可能です。
『三大怪獣 地球最大の決戦』は、1964年に公開されたシリーズ第5作目です。ゴジラ作品の歴史を楽しみたい方におすすめです。
『三大怪獣 地球最大の決戦』の魅力は、キングギドラやモスラ、ラドンといった、人気怪獣が集結する点です。怪獣たちの特徴ある鳴き声や動作、迫力ある対決シーンは楽しめることでしょう。
人類と怪獣たちとの関係性や、当時の社会情勢を反映しており、シリーズの魅力を味わうこともできます。
ゴジラの歴史を感じながら、怪獣映画の魅力を楽しみたい方におすすめです。
『ゴジラ』は日本のみならず世界でも公開され、世界の映画界にも影響を与えました。アメリカでは、1956年に『ゴジラ・キング・オブ・モンスターズ』というタイトルで公開され、大ヒットを記録しました。1998年にはハリウッド版のゴジラ映画が公開されるなど、ゴジラの人気は世界にも広がりました。
日本映画として初めて『ゴジラ-1.0』が2024年のアメリカ・アカデミー賞で「視覚効果賞」を受賞しました。同作は、アメリカ国内で記録的なヒットを続け、全米公開された実写の日本映画として、史上最高の興行収入を記録しました。
本作はU-NEXTやAmazonプライム・ビデオで視聴可能です。
今回は、ゴジラ作品を観たことがない人でも楽しめる記事として、作品の歴史と魅力、おすすめ作品について解説しました。怪獣映画をまだ観たことがない方も、ぜひ参考にしてみてください。