【実用版】新社会人必読!仕事力・人間力を高めるおすすめ本

 

この記事で、新入社員におすすめの本を紹介します。社会員としての心構えや、基本的な生活姿勢を身に着け、同世代との差をつけたい人におすすめです。

新卒1年目だけではなく、第二新卒や20代後半の社会人の人にもおすすめできる本を厳選したので、ぜひ参考にしてみてください。

アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』

©︎アンデシュ・ハンセン/新潮社

 

『スマホ脳』は、入社前の早い段階で読むことをおすすめします。これからの時代に求められていく人材になるためには、効率的に時間を使うことや、成長するための時間を生み出すことが必要です。社会の中で、良質な睡眠をとり、一人の社会人として健康を保ち、日々の業務に集中して取り組むことは、最も優先しなければならない課題です。

この本を読めば、自分自身の情報機器との付き合い方を客観的に見ることができます。よりよい毎日のために、どのようにスマホを扱えばいいかがわかります。新社会人だけではなく、スマホを持つ全ての人に読んでいただきたい新書です。

デジタル化が進み、スマートフォンは今やあらゆる世代にとって生活の一部となっています。大人は毎日平均4時間程度、若者の2割は毎日7時間をスマホに費やしている、というデータもあります。

本書の著者である、メンタルヘルスのインフルエンサーであるアンデシュ・ハンセンはこう言い切ります。

 

人間の脳はデジタル社会に適応していない。

 

教育大国スウェーデンを震撼させた『スマホ脳』。日本でも発売直後から売れに売れ、一躍ベストセラーとなりました。本書では、仕事やプライベートと切っても切り離せないデジタル機器について、精神科医である筆者が鋭く自論を展開します。

筆者はまた、こう指摘します。

 

あなたがフェイスブックやインスタグラム、ツイッター(※現X)、スナップチャットに費やす1分1分が、企業にとっては黄金の価値を持つ。広告が売れるからだ。

 

しかし、私達がデジタル機器を今すぐ全て手放すことは難しいでしょう。だからこそ、人間がデジタル社会から受ける影響を認識し、悪い影響を受けないように心がけていく必要があります。

SNSやフェイクニュース、インフルエンサー、ストレス、鬱、ルッキズム、自己肯定感……自信を持って生きることが難しい現代社会をよりよく生き抜くにはどうすればいいのか。幼少期から当たり前にデジタル機器と共に毎日を過ごしてきた世代、大人になってからスマホを持った世代―全世代に贈る人生のバイブルと言えるでしょう。

振り回されない生き方、働き方を目指し、仕事のパフォーマンスを向上させたい方におすすめです。

辻村美月『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』

©︎辻村美月/講談社

 

『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』は、多様化する家族の在り方と、20代の若者の生き方や幸せについて改めて考えさせられる小説です。社会人になると、自分と周りを比べる機会が増えます。先輩たちのように、一人前に仕事ができているだろうか、自立した生活を送れているだろうか……などなど。

社会人生活を送る中で、周りとの比較の中で苦しんだり、もがいたりすることも増えることでしょう。多忙を極める社会人生活の中にも、ふとした瞬間に読む小説があると、いい息抜きにもなります。ぜひ、一度手に取ってみてください。

※以下、ネタバレあり

 

田舎の結婚は、都会よりもずっと早い。しかし、結婚、妊娠、出産という道を誰もが同じように歩むわけではない。
ライターとして仕事をしている神宮寺みずほは、ある日、地元の友人望月チエミの母が、自宅で脇腹を刺されて亡くなっているというニュースを知ります。実母からその話を聞いたみずほは、知り合いの名前が事件のニュースの中で出てきたことに現実感を持てずにいました。よく知っているチエミのお母さんがもうどこにもいないのだ、ということに衝撃を受ける中、みずほの妊娠が発覚します。

同じ地域で、同じ先生に教わって、同じように過ごしてきても、家族構成や恋愛経験、仕事、その全てが違う友人たち。その中における自分の立ち位置が揺らいだとき、女性たちの居場所は「今の仕事にすがる」か、「結婚相手を見つける」か、「実家に戻る」か、しかないのです。

自分には知らされない事実が確かに存在する、誰かが自分に嘘をついている、日常生活の中では当たり前に起こるさまざまな出来事が、物語のキーセンテンスとなり、「誰がチエミの母を殺したのか」という大きな謎をさらに深めていきます。調べを進めていくほど分からなくなる答えは、もうすでに、みずほのすぐそばにあったのです。
みずほは、今となってはもう会うことが出来ない友人にこう問いかけます。

チエ、どうして?どうしてお母さんを殺したの。何故それは私の家ではなく、あなたの家だったのだ。娘に殺されて死んだのは、何故、私の母ではなく、あなたの母なのだ。

主人公みずほと物語に登場する女性達が抱えるそれぞれの思い、そして物語の真意に触れたらあなたもきっと涙す流でしょう。あたたかな愛と、生きていることの尊さに触れることができる珠玉の名作です。

これからの人生に希望と不安を持つ、全ての女性へ。女性にとって、どう生きるのが幸せなのか、私達はどうあるべきなのかを深く考えさせられる作品です。

池井戸潤『空飛ぶタイヤ』

©︎池井戸潤/講談社

 

この作品は、企業小説で有名な池井戸潤の小説です。本作品の中では、様々な背景を持つ登場人物がリアルに描かれており、社会人からも大きな支持を得ています。若い世代だけではなく、中堅世代からも人気があります。

社会人として成長していく中で、会社の中の人との関わりは避けては通れません。時に、自分とは違う立場の人たちと接する機会もあるでしょう。同僚、同僚の家族、管理職、競合他社、取引先……。

この作品の中には、一つの会社の一つの製品に関わる様々な立場の人が登場します。登場人物同士のやりとりから、社会で生きるしたたかささ、トラブルへの向き合い方を学べること間違いなしです。

※以下、ネタバレあり

 

運送会社のトラックのタイヤが外れ、罪なき一人の主婦が帰らぬ人となりました。事故の原因は、「整備不良」。その出来事は、家族や関係者だけではなく、社会を揺るがす事件の第一歩に過ぎなかったのです。

仕事とは、社会的信用とは、人生とは、そして、家族とは……?
大企業からの圧力や隠蔽工作、メディアの報道に翻弄されながらも、日本社会、権力の裏に潜む闇を洗い出そうとする、赤松運送の社長の、社運を賭けた泥臭い攻防に、思わず息を飲む一作です。

社員とその家族の生活を背負いながら、信念を持って戦う主人公赤松の姿は、新社会人のみならず、社会で働く全ての人にとって「働くことの意味」を考えるきっかけになることでしょう。自分の信念を貫くことの大切さ、逆境に負けない強さを教えてくれるこの物語は、社会の厳しさに直面した時のあなたの心の支えになること間違いなしです。

赤松以外の登場人物の思惑や価値観も、物語の中で鮮やかに描かれていきます。銀行員、自動車会社社員、「整備不良」が原因で事故死した方の遺族や、メディア関係者、警察、そして、赤松と同じ運送会社の社長たち。1つのトラックの故障をとっても、これほどの人間が関わっているのかということに驚かされます。

池井戸潤の作品は、銀行員としての勤務経験を基にしたリアルな社会描写が魅力です。それゆえか、社会人のファンが非常に多いことで有名です。

中でも『空飛ぶタイヤ』は、どの世代にとっても共感できる内容になっています。社内で好きな本を聞かれた際には、池井戸潤さんの名前を挙げておけば間違いなし。入社前に、一冊読んでおくことをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

春から社会人になるみなさんにとっては、本を読む時間を確保すること自体が難しいかもしれません。しかし、読書経験は、後々みなさん自身の何にも代えがたい力になります。

この記事を読んでくださっているみなさんが、いい読書経験をもとに、豊かな社会人経験を積んでいかれることを願っています。

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