世界が認める『ダンダダン』の魅力!

世界が認める『ダンダダン』の魅力!

©️龍幸伸/集英社 ダンダダン制作委員会

 

Webコミックサイト『少年ジャンプ+』にて、連載開始から瞬く間に人気を博した漫画作品『ダンダダン』。
『SPY×FAMILY』や『怪獣8号』、『魔都精兵のスレイブ』『チェンソーマン』に並ぶ人気作品として注目を集め、ついにはアニメ化を果たしました。アニメ化されて世界中で放映されることで、さらなる人気を獲得しています。

今回は、漫画作品『ダンダダン』の魅力についてご紹介していきます。

成功の要因はオカルトとバトルと恋愛要素!

繰り広げられるオカルトバトル

『ダンダダン』はオカルティック怪奇バトル漫画と銘打たれているように、日本古来から存在している怪奇忌憚や都市伝説などを取り上げています。本来ならば溶け合うことのないSF的オカルト要素なども取り込み、少年漫画の王道路線とも言えるバトル要素を交えながら、奇想天外な物語を紡いでいる事がこの作品の魅力です。

スマートフォンやインターネットが普及し、情報化社会になっても決して消えることなく、人々の傍に残り続けている怪談。様々な形で変容し、新たな怪談として紡がれた妖怪や怪異、魑魅魍魎や宇宙人など、人間の手に負えないであろう、オカルトに挑む事になる主人公を描いています。『ダンダダン』はそれゆえに、人気作品となったと言えるでしょう。

バディとして戦う二人の恋愛

物語の主人公となるオカルンとヒロインとなるモモの存在は、共に苦難を乗り越えていく事になる、対になる存在として描かれています。彼らは万能の力を持っているわけではなく、唐突に手に入れてしまった超越した力に振り回されながらも、窮地に追い込まれる中、知恵を振り絞り、苦難を乗り越え、辛くも勝利を得ます。
そんな状況の中で恋に芽生えていくなど、少年漫画の王道を上手く組み込みながら、独自性のある面白さを描いている作品であるとも言えます。

令和オカルトの洒落怖を取り込む面白さ!

洒落怖とは「2ちゃんねる」に存在するオカルト板のスレッドの一つ「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」を略称した言葉です。実体験の書き込みを集めた伝聞や伝説、創作と史実、ニュースなど、様々なジャンルを集め、その真偽を問わず「死ぬほど洒落にならない怖い話」を集めた創作怪談スレでもあります。このスレッドから、令和の時代に新たな怪談や都市伝説が多く生み出されていきました。たとえば……

などが挙げられます。

様々な怪奇忌憚とも言えるオカルトがスレッドへ書き込まれていき、そこから新たなる怪談も作られていきました。
怪奇ネタは多くの創作物の新たなるネタとして活かされ、そのネタを多く取り込んだ事で『ダンダダン』は独特の面白さを得たとも言えるでしょう。

『ダンダダン』には想像で描いた魔物や怪物などではなく、多くの人が集まりながら想像を働かせ、形作られた怪異の存在を作品の中に登場させています。これらはオカルトファンを楽しませ、本来ならば太刀打ちできないであろう怪異を取り込み、超越した力を得た事で、怪異と戦うバトル要素なども、洒落怖に関わったであろうファンを楽しませる要素にもなったとも言えます。

誰もが知る怪異が現れ、その圧倒的なまでの恐怖にどう立ち向かうのか? その怪異はどれだけに恐ろしく描かれ、圧倒的な力を見せてくれるのか?
『ダンダダン』で描かれるオカルトは、これらオカルトファンを喜ばせる演出が込められた事で受け入れらファンを増やしたと筆者は考えています。

『ダンダダン』の圧倒的な画力演出!

『ダンダダン』を語るうえで外せないのが、作者・龍幸伸の画力と演出力にあります。

作中におけるバトルシーンの演出と画力は、キャラを大きく動かす躍動感と激しく走り込む疾走感に、物の存在感を示す質量感などがきめ細やかに描き込まれています。ここに『ダンダダン』の漫画の魅力が込められています。

作者である龍幸伸が好んでいる漫画は、三浦建太郎『ベルセルク』や皆川亮二『スプリガン』、大友克洋『AKIRA』など、動きに特徴のある作品が挙げられています。

『ダンダダン』の作風に描かれた質量のある画力は、そこにある現実感を持たせる迫力が込められています。戦闘シーンに描き込められている躍動は、叩き込まれる肉質の弾みと、受けていく肉質の歪みが精密に描かれています。動きの一つ一つに描かれている疾走感は、漫画であってもまるでアニメのように動いている錯覚を与えてくれます。。

学校における人間模様とオカルンとモモの成長

学校で「浮いた」二人の主人公

『ダンダダン』はなぜ面白い作品として認められたのか?
それは、主人公の高倉健ことオカルンが日常の中で非日常を求め、学校という社会の中で浮いた存在であるからと考えます。

©️龍幸伸/集英社 ダンダダン制作委員会

 

ヒロインとなる綾瀬桃ことモモも、自分の理想の恋愛を求め、学校という社会の中で浮いている存在です。

©️龍幸伸/集英社 ダンダダン制作委員会

 

学校の中で孤独感を抱えた記憶がある人は多いはずです。他人との関わりを学び、社会の仕組みを学んでいく学校の中で、常に自分の存在価値を上げるために、学生は考え、自分の価値観をあげる努力をします。

運動で秀でた才能を発揮する生徒もいれば、学業で優秀な成績を残そうとする生徒もいます。それ以外に求める生徒は、容姿で優れようとし、恋愛関係で自分がどれだけ愛されているのかを示すなど、学校では様々な形で浮かない存在になろうとします。

オカルンは容姿は優れておらず、非力であり、頭脳面も優秀とは言えない…。モモは容姿に優れてはいても、恋人には恵まれず、成績に関しても秀でているわけではない。そんな二人が、ある共通点で結ばれてしまう事から、『ダンダダン』の物語は始まります。

相容れない二人が結託していく

オカルンは異星人に宇宙のオカルトに傾倒する人間。一方モモは怪奇や怪異のオカルトに傾倒する人間として、二人は対立します。

「宇宙人はいる・UFOは存在する」と信じるオカルンと「妖怪はいる」と信じるモモ。二人はオカルトという確証の取れない未知なる現象に対して共通点を持ち、それぞれの信じるジャンルの中で対立し、互いの意見をぶつけ合う関係として描かれていきました。結果、二人は相容れる事のない宇宙人と妖怪といった「オカルト」に関わってしまい、日常から非日常へと迷い込むことになりました。

『ダンダダン』において、怪異と関わってしまった事でオカルンは身体の大切な部分を失い、モモも自分の内側に存在する力が解放されてしまいます。平凡で退屈な自分の価値を上げる事に専念する日常から外れ、持ってしまった力で苦難を乗り越えなければいけない生存競争へと歩み出てしまった二人。反発もあれば共存もあり、オカルンとモモは、互いにとって無くてはならない存在となっていきます。

 

 

苦難に立ち向かい、生きる為に共存する仲間であり、個々の思想がぶつかり、互いに譲れない思考や、受け入れる事になる意志も加わっていきます。互いを想う気持ちが生まれ、やがて恋へと昇華していきます。この育まれていくドラマ性こそが『ダンダダン』の魅力とも言えます。

オカルンとモモの紡がれていく物語と共に成長していく仲間との関わりも、新たなドラマ性を生み出していき、オカルンとモモの物語は面白さをより増していくのです。
最初は「浮いている」人間だったはずの二人が、いつしか成長を遂げていき、個として「浮いている」人間ではなく、支える人間として描かれていくは『ダンダダン』の面白さの一つです。

以上、『ダンダダン』の魅力をご紹介しました!
この記事を見て、少しでも興味を持った方は、ぜひ読んでみてくださいね。

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