
漫画『ONE PIECE』は「海賊王」を目指す主人公モンキー・D・ルフィと、その仲間たちが秘宝「ワンピース」を探す冒険を中心に展開される、尾田栄一郎によって描かれた物語です。連載開始から25年以上経った今でも、世界中の多くの読者を魅了し、愛されています。
何が人々を惹きつけるのか!? その魅力に迫ります!
『ONE PIECE』の物語は、前代未踏の世界一周を果たした海の覇者「海賊王ゴール・D・ロジャー」の死に際に放った一言
「探せ。この世のすべてをそこに置いてきた・・・」
この言葉が世の中に大きなうねりを生み、多くの猛者たちを海へ駆り立てたところから始まりました。この波乱に満ちた時代に、1人の少年モンキー・D・ルフィが「海賊王」をめざして、大海原へ乗り出します。
数々の冒険の中で仲間を増やし、波乱を乗り越えるたびに成長していくルフィと仲間たち。ルフィを船長とする海賊「麦わらの一味」は「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を目指して、航海を続けていきます。
物語が進んでいくと、ストーリーの緻密さに何度も感動させられます。特に、初期の仲間との出会いや、冒険の中での登場人物が、十数年後のストーリーの中で秘密が明かされたり、後の別のストーリーで重要な場面と繋がっていたりと、強い没頭感を与え、何度もさかのぼって漫画を読みたくなります。
例えば「アラバスタ編」で麦わらの一味は、国を乗っ取ろうとしたクロコダイルを、王女ビビと共に倒しました。が、ビビは船には乗らず、友情を胸に一味と別れました。
しかし、後のビビの父であるコブラ王の死の真相の場面で、ネフェルタリ家(アラバスタの王家)が「D」を受け継ぐ者であったことがわかり、「ここでビビと繋がるのかぁ!」と胸が高鳴りました。これが明かされるまでに、20年以上の月日が経っていることにも驚きです!
主人公ルフィは自由奔放のゴム人間。ゾロは無口な強豪剣士。ナミは故郷を愛するお金に目がない航海士。サンジは女の子が大好きな料理人。チョッパーは天然の可愛いトナカイ船医。ロビンは探究心の強い考古学者。フランキーは海パン1枚の改造人間の船大工。ブルックは一度命を失ったロック歌手。ジンベエは元王下七武海の魚人空手家……など、個性豊かで様々です。
彼らにそれぞれ共通するのは、強い信念、仲間を思う気持ち、夢への希望があり、読者の希望ものせて一緒に冒険していくような感覚を覚えます。また、敵さえも愛着のあるキャラクターで、敵の夢を追いかける姿や過去の苦悩が描かれているため、敵にも感情移入してしまいます。
©︎尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
『ONE PIECE』の根底には「仲間」「自由」「夢」といった普遍的なテーマが据えられています。ですが、壮大なストーリーのなかで、魚人と人間、天竜人との関係や、海軍と世界政府への加盟など、現代社会でも大きな問題である、人種差別や性の多様性、戦争とは何か、国とは何か、力とは何かを考えさせられます。答えの出ない心を揺さぶるストーリーが展開されてい流のです。
例えば、海軍大将が世界政府非加盟国のワノ国で放った一言で
「この国にぁ!!ねェんだよ!!人権がよォ!!」
といった場面。世界政府に属さない者達や魚人達に対する世界政府の扱いに、漫画のストーリーのなかで現代社会の問題との繋がりを感じ、色々と考えさせられます。
誰もが求める「自由」や「夢」。『ONE PIECE』の「麦わらの一味」はいくつもの困難を乗り越えながらも、素直に探求していく姿に、読者も「自由」や「夢」を求めることに希望を持ち、前向きになって良いんだと思わせてくれます。クルー全員に力があるわけではなく、力が無くても葛藤しながら、それぞれが自分の持てる力を出し合って、自分に出来ることを実践していき、仲間の力になれたときの喜び、その後の自己肯定感を得て逞しくなっていく姿まで描かれています。
特にルフィの兄、海賊王の息子として世界から「鬼の子」と言われ生きてきたエースが、命を失う場面。白髭が一味を引き連れて助けに来るが、大乱闘の末、あの優しくいつも冷静で強い兄だったエースの命を、ルフィは目の前で失います。その時のルフィの絶望感……。
ルフィは一瞬にして力尽き、戦闘不能になりました。その悲壮感の描き方がとてつもなく、読者も絶望感に包まれ涙しました。また
「愛してくれて・・・ありがとう!!」
という言葉を残して亡くなったエース。誰もが愛されたいと思って生きていることを、再認識させられました。
©︎尾田栄一郎/集英社
『ONE PIECE』はユーモアとシリアスさが絶妙に融合しており、ギャグシーンやコミカルなキャラクターが物語に明るさを与えています。しかし、時折切迫した悲劇的なシーンもあり、この感情のギャップも読者を飽きさせない、性別や世代を超えて愛される秘訣となっています。
例えば、世界最強の剣豪を目指すゾロが方向音痴で、重要な場面でもいつも道に迷うところや、チョッパーがいつも体を丸出しにして隠れている様子や照れ隠しする表情など、思わずクスっと笑う場面が沢山あります!
『ONE PIECE』のなかで、主人公・モンキー・D・ルフィーの「D」とは何か。物語の初期から「D」については時折触れられてきましたが、ルフィ本人はそれについて一切触れることはなく、現在ようやく「D」とは何かが物語のなかで明らかにされつつあります。
しかしルフィ本人は常に、自由に夢を追い求め、冒険のなかで出会った仲間を助けたい一心で一味と共に戦い、結果的に世界を変えていきます。このルフィの自由に生きる姿が最後まで貫かれると思いますが、それがどのような結果をもたらすのか!?
これからも目が離せません!!
『ONE PIECE』は壮大なスケールで描かれる緻密なストーリーテリングや深いテーマ性に、大きな感動と没頭感を与え続けます。冒険の楽しさやコミカルな面白さだけでなく、仲間や家族を想う気持ち、現代社会の問題、自己実現といった幅広く深いメッセージを持ち、読者の人生感にも大きな影響と刺激を与え続けています!
連載開始から25年以上経った今、物語は新たな展開を迎え、さらに物語の緻密さを思い知らされ続けています。今後、どんな展開になるのか、過去の物語と現在がどう繋がっていくのか、過去の物語を振り返りながら楽しむのが醍醐味です!
親子3世代で楽しむこともでき、性別や世代を超えて、世界中で多くの人々を魅了し、愛され続けています。