日々忙しくしているみなさん、ストレス社会と言われる現代におすすめの「涙活」をご存じでしょうか。涙を流すことは決して悪いことではなく、むしろストレス解消につながるため必要であると言われています。
みなさんの涙活を手助けする、3作品をご紹介します。
涙活(るいかつ)とは、意識的に涙を流すことで心のデトックスを図る活動のことです。涙を流すことで副交感神経が働き、ストレス解消やリラックス効果が得られると言われています。
しかも、1粒の涙の効果は1週間続くそうです。日々の生活にストレスを感じている人は積極的に涙活に取り組んで、ストレスフリーな生活を目指しましょう。
©︎東宝 / 2009「余命1ヶ月の花嫁」製作委員会
『余命1ヶ月の花嫁』は、実話をもとにしたストーリーで、愛する人との時間や命の儚さを描き、観る全ての人を感動させる映画です。
23歳という若さで乳がんと診断された主人公・千恵。胸を切除しなければならず、一度は恋人の太郎の前から姿を消してしまいますが、乳がんであることを知っても受け入れてくれた太郎の想いに応え、一緒に生きていくことを決意します。
しかし、そんな2人に待ち受けていたのはがんの再発と転移、さらには「余命1ヶ月」という宣告。
太郎は、千恵の夢である「ウェディングドレスを着ること」を叶えるために、恋人の太郎が友人たちの協力を得ながら模擬結婚式を実行。千恵さんも病と懸命に闘いますが、太郎や家族の支えの中で「幸せだった」と伝え、数週間後に亡くなってしまいます。
現代では、がんや生死に関わる病気は誰しもが可能性としてあるものですよね。だからこそ、自分に置き換えて観ることもできますし、しかも24歳と若くして末期の乳がん。
結婚もしておらず、恋人関係であるからこそ別れの選択もできたと考えられますが、太郎は懸命に千恵を支え、人々に「本物の愛」というものを示してくれます。
特に、余命が迫る中で、2人がお互いを思い合い、限られた時間を精一杯生きようとする姿が切なく、命の美しさに涙が止まりません。
今当たり前に生きていることがどれだけ尊いことなのかが様々な場面から感じ取ることができ、愛や絆の強さに心が震えることでしょう。
©︎東宝東和 / 2017「僕のワンダフル・ライフ」製作委員会
『僕のワンダフル・ライフ』は、何度も生まれ変わる犬・ベイリーの視点で語られる物語で、犬と人間の深い絆を描いた感動作です。
夏の暑い日。子犬が車に閉じ込められて脱水症状になっていたところを、イーサンという名前の8歳の少年に助けられるところから物語が始まります。
感激した子犬はイーサンに懐き、一生離れないと心に誓います。ベイリーと名付けられた子犬は、いつもイーサンと一緒でしたが、犬の寿命は人間よりも短いもの。やがてイーサンに看取られながら息を引き取ります。
しかし、ベイリーはイーサンに会いたい一心で、オスの警察犬やコーギーなど、何度も別の犬に転生。別の飼い主のもとでその飼い主のことを大切に思いながら犬生を送りますが、記憶の片隅にはいつもイーサンがいました。
そして、5回目の転生でベイリーはイーサンと再会。ベイリーにしか分からない芸を披露して、イーサンに認識してもらうことにも成功。イーサンと昔の恋人・ハンナをくっつける手助けもし、イーサンとハンナと一緒に楽しく暮らせるようになりました。
この映画は、犬目線で物語が進んでいきます。もしも大切な犬や猫たちが自分に合うために生まれ変わり、会いに来てくれたらと思うと涙が止まりません。
また、人間にはない、ベイリーの無条件の愛と忠誠心が描かれており、ベイリーの思いを知っているからこそ、イーサンと再会できた場面は感動すること間違いなしです。
©︎小川糸(ポプラ社刊)
『ライオンのおやつ』は、余命を宣告された女性・雫が「海の見える小さなホスピス」で人生の最後の日々を過ごすことを決め、そこでの人々との交流を描く感動的な物語です。
雫は育ての親である叔父に何も告げずにこのホスピスに来ました。このホスピスには「おやつの時間」という、ちょっと変わった特別な時間があり、入居者はそれぞれ死を前にして「人生の最後に食べたいおやつ」をリクエストできます。
しかし、気になるのはなぜ、そのおやつを選んだのか。その答えは、小説を読み進めていくと見えてきます。そして、雫は何をリクエストするのか、叔父とは会えずに旅立ってしますのか必見です。
この小説では、限られた時間の中でも心を通わせることができる、命が尽きる瞬間まで人は愛し合えるということを教えてくれます。
「人はいつか死ぬ」。分かっていることですが、「最後の日々」をどう過ごすかなど、考えたことはある人はどのくらいいるのでしょうか。死というものが恐ろしくて考えたことがない人の方が多いでしょう。
しかし、この小説を通して「死」というもののイメージが覆させられます。また、死に向かう雫の体と心の変化が繊細に描かれ、切なさの中で日々を大切に生きる姿に心が動かされることでしょう。
命という身近なテーマで、様々な人の「死生観」が描かれているからこそ、読者自身も考えさせられ、涙なしには読めません。
本記事では、涙活におすすめの映画2本と小説1冊をご紹介しました。日常の中で意図的に涙を流すことは大切です。
感動する映画や小説に積極的に触れて、ストレスフリーな日々を過ごしましょう。