少女漫画史に燦然と輝く名作3選!!

少女漫画史に燦然と輝く名作3選!!

昭和から令和まで、数々の作品が生み出されてきた少女漫画の中でも、とりわけ多くの人々に愛される名作が存在します。

今回はそんな少女漫画の金字塔『ベルサイユのばら』『王家の紋章』『ガラスの仮面』の3作をご紹介します。

 

昭和の大ヒット少女漫画

今回ご紹介する作品は、読んだことはなくても名前は聞いたことがある、という方が多いのではないでしょうか?

『ベルサイユのばら』は社会現象化するほどのヒットを記録した有名作。『王家の紋章』と『ガラスの仮面』は今も未完の、少女漫画では稀に見る長寿作品です。

いずれも壮大なストーリーと魅力ある人物描写で、読者の心を捉えて離しません。それぞれの作品の内容と、人気の理由を詳しく見ていきましょう。

 

きらびやかで気品ある世界に酔いしれる『ベルサイユのばら』

©池田理代子/集英社

 

作品概要

池田理代子先生作。

舞台はブルボン王朝末期、フランス革命へと突入していく激動の時代。

フランス王妃マリー・アントワネットと男装の麗人オスカル、二人の気高く美しい女性の生き様を描いた、歴史少女漫画の傑作です。二人がそれぞれ激しい愛と苦悩に揺れながら、悲劇的な運命へと向かっていく様はとてもドラマチックです。

発表されたのは1972年から1973年と50年も前の作品ですが、今なお少女漫画と言えばこの作品、というほどその名が知れ渡っています。これぞまさに昭和の少女漫画の入門書!

人気の理由

『ベルサイユのばら』が時代を超えて愛される理由は何と言っても、オスカルというキャラクターの魅力ではないでしょうか。女性でありながら、軍人になるように男性として育てられたオスカル。一目見れば、彼女の気高い心と美貌に憧れずにはいられません。さらに、誇り高い彼女が内に秘めた葛藤や切ない恋心を知れば、その人間性の虜になってしまいます。

また、ドラマチックなストーリーは何度読み返しても胸を打ちます。

華やかなフランス宮廷にうっとりし、オスカルたちの人生に涙する。日常から離れて、優雅な世界に酔いしれたい方にぴったりの作品です。

 

古代エジプトの大河ロマン『王家の紋章』

©細川智栄子あんど笑〜みん/秋田書店

 

作品概要

細川智栄子あんど芙~みん(細川智栄子先生と笑〜みん先生)作。

考古学を学ぶアメリカ人、キャロルがある日古代エジプトに飛ばされてしまって……!?  というタイムスリップもの。困難の多いファラオとのラブストーリーを軸にした、愛憎渦巻く長編ロマンです。

1976年に始まった連載は現在も続いており、既刊は70巻。長年にわたり愛されてきました。現在流行りの転生ものを先取りしたような設定で、若い読者の支持も得ています。

人気の理由

『王家の紋章』は、コマから溢れんばかりの情熱に満ちています。

現代と古代の行き来の末に古代エジプトで生きていくことを決意したヒロイン、キャロル。そんなキャロルを一途に愛する気性の激しいファラオ、メンフィス。メンフィスの異母姉で嫉妬に狂う情念の王女、アイシスなどなど……。

人間味があり、各々に信念を持っているキャラクターたちを見ていると、古代エジプトに生きる彼らの魂の叫びが聞こえてくるようです。そんな激情に翻弄される楽しみが、本作の人気を支えているのではないでしょうか。

魅力的な男性キャラも多いので、異世界転生ものや乙女ゲームが好きな方はきっとハマるはず!

 

演劇に全てをかける少女から目が離せない『ガラスの仮面』

©︎美内すずえ/白泉社

 

作品概要

美内すずえ先生作。

平凡な少女・北島マヤには、実は並外れた演劇の才能がありました。その才能を見出され、自身も演劇の面白さに目覚めたマヤが、ライバルの姫川亜弓と切磋琢磨しながら演劇に打ち込む姿を描いた、演劇バトル漫画です。

1975年に連載が始まり、現在49巻まで発行されています。未完ながら不動の人気を誇る大ベストセラーで、2021年3月時点で累計発行部数は5000万部を突破しました。

時代の変化に応じて携帯電話が登場するなど、現代にも寄り添った作品になっています。

人気の理由

『ガラスの仮面』を読み始めると、一瞬で物語に引き込まれ、ページを捲る手が止まりません。

一度演技を見ると目が離せなくなり、他のことを忘れてしまうマヤの異常とも言える演劇熱にたとえ最初は引いていても、気づけば彼女の真剣さに夢中になっていること請け合いです。

彼女を襲う様々ないじめや陰謀などはベタな展開ですし、ご都合主義な場面もあります。でも、ベタだからこそ間違いなく面白いのです。

面白いから人気を博す、当たり前だけれど難しいことをやってのけている作品です。演劇好きな方はもちろん、とにかく面白い漫画が読みたい方におすすめ。

 

読んで損はない! 色褪せない名作

ご紹介した3作はどれも、今読んでも惹き込まれる、時代を超えた魅力のある作品です。どの作品も新品の書籍も電子書籍も販売されていて、入手が容易なのも嬉しいポイント。

『ベルサイユのばら』は来年劇場版アニメ化されるので、ぜひ予習も兼ねてお手に取っていただけたら!

『王家の紋章』と『ガラスの仮面』は未完だと手を出しづらい……と感じるかもしれませんが、逆に言えば過去の作品ではなく今の作品であるということ。古い作品は楽しめるか不安、なんて方にうってつけです。

未読の方はぜひ読んでみてくださいね!

 

<参考文献>

劇場アニメ『ベルサイユのばら』公式サイト

今こそ読もう王家の紋章

【ネタバレ注意】少女漫画の金字塔『ガラスの仮面』を読んで、どこかに置き忘れた情熱を取り戻そう!